整形外科

整形外科について

運動器(骨・関節・筋肉・神経系)に痛みや違和感、ケガがあれば、
まずはご相談ください

私たちの身体を支え、動かす仕組みである運動器は、骨、軟骨、靭帯、筋肉、腱、神経などの複雑な組織で構成されています。これらの組織に痛みや違和感、ケガなどの問題が生じた場合、日常生活に大きな支障をきたすことがあります。そのような運動器の疾患を専門に扱うのが、整形外科です。
整形外科では、外傷による打撲、捻挫、骨折から、加齢に伴う関節痛、脊髄や神経の問題まで、幅広い症状に対応しています。また、関節リウマチや骨粗しょう症といった疾患の診断と治療も行っています。これらの疾患は、早期発見と適切な治療が重要です。少しでも身体に違和感を覚えた場合は早急に当院までご相談ください。

症状と対応疾患

肩の痛み

長時間のパソコン作業やスマートフォンの使いすぎ、猫背などの姿勢の悪さ、合わない枕の使用など、日常生活の些細なことがきっかけで、肩から首、背中にかけて痛みが生じることがあります。肩の痛みは、放置すると悪化し、日常生活に支障をきたす可能性もあります。肩の痛みや違和感を覚えたら、早めにご相談ください。

こんな症状ありませんか?

  • 肩が上がらない
  • 肩が回りづらい・動きづらい
  • 動かすと肩が痛い
  • 肩が重たく違和感がある

主な疾患

凍結肩(肩関節周囲炎)

凍結肩(肩関節周囲炎)は、四十肩/五十肩と一般に呼ばれている疾患で、40代以降の方に多く見られる肩関節の疾患です。可動域の制限や肩の動作時の痛み、腕が上がらないといった症状が現れます。

原因
肩関節の腱板の炎症が関節包に広がることで発症すると考えられていますが、明確な原因は不明です。加齢に伴う筋肉や腱の柔軟性の低下も関与している可能性があります。
治療法

凍結肩の治療においては、ストレッチや振り子運動などの運動療法が効果的です。肩関節周囲の筋肉や関節包の柔軟性を高め、血行を促進することで、肩の動きをスムーズにし、痛みを軽減します。

温熱療法は、肩の痛みを和らげ、治癒を促進する効果があります。主にホットパックやマイクロ波などの医療機器により血行を促進し、筋肉や関節の緊張を和らげることで、痛みが軽減します。

凍結肩の痛みが強く続く場合は、炎症を抑えるための寒冷療法が有効です。効果的に冷却を行うためには、医療機関で行うことを推奨します。

変形性肩関節症

肩関節は、股関節や膝関節のように常に大きな負荷がかかる部位ではないため、変形性肩関節症は比較的まれな疾患です。しかし、発症すると、初期には肩の動かしにくさや痛みが現れ、徐々に腫れや動作時の異音が生じることがあります。
症状の進行はゆっくりですが、放置すると強い痛みを伴うようになるため、早期の検査と診断が重要です。

原因
原因は、外傷(骨折、脱臼など)、加齢による骨や軟骨の老化、上腕骨頭壊死(血流悪化やステロイド薬の多量投与による)、腱板断裂による肩関節の変形などが考えられます。
治療法

変形性肩関節症の治療は、基本的には保存療法が中心となります。痛みや炎症を抑えるための薬物療法や、肩関節の動きを改善するためのリハビリテーションを行います。
しかし、保存療法で効果が得られない場合や、日常生活に支障が出るほどの痛みや可動域制限がある場合は、手術療法を検討することもあります。
手術療法には、変性した滑膜や腱板の組織を取り除く鏡視下滑膜切除術や、金属とプラスチックで人工関節を作る人工肩関節置換術などがあります。

腱板断裂

腱板とは、肩甲骨と上腕骨をつなぐ4つの筋肉の腱が集まった部分です。肩関節の安定性やスムーズな動きに欠かせない役割を担っていますが、加齢や過度な負荷によって断裂してしまうことがあります。

原因
腱板断裂は、50歳以上の方に多くみられます。転倒や重い物を持ち上げるなどの急激な負荷や、加齢による腱の変性などが原因で起こります。特に、野球やテニスなど、腕を大きく動かすスポーツをする方は注意が必要です。
治療法

腱板断裂の初期治療は、炎症を抑え、痛みを和らげるための薬物療法やリハビリテーションが中心となります。しかし、断裂がひどく、日常生活に支障がある場合は、手術によって断裂した腱板を修復する必要があります。治療方針は、患者様の症状や生活状況などを考慮し、医師と相談しながら決定します。

腰の痛み

腰痛は、日本人の国民病とも言われるほど多くの方が悩まされている症状です。その原因は、筋肉や骨、椎間板などの整形外科的な問題から、内臓疾患、ストレスまで多岐にわたります。腰痛の原因を特定し、適切な治療を行うためには、医療機関での診察が不可欠です。

こんな症状ありませんか?

  • 腰に痛みや違和感がある
  • ぎっくり腰になったことがある
  • じっとしていても痛む
  • 重いものを持つ・
    腰をひねる動作で痛む

主な疾患

椎間板ヘルニア

椎間板ヘルニアは、背骨と背骨の間にあるクッションの役割を果たす椎間板が、強い圧力によって破損し、中のゼリー状の物質(髄核)が飛び出してしまう状態です。飛び出した髄核が神経を圧迫することで、痛みやしびれなどの症状を引き起こします。
特に腰椎椎間板ヘルニアの場合、腰だけでなく、脚やお尻、足先まで痛みやしびれが広がるのが特徴です。

原因
椎間板ヘルニアは、姿勢や動作、体質、骨の形、加齢など、さまざまな要因が複雑に絡み合って発症します。
例えば、長時間座りっぱなしのデスクワークや、中腰での作業、重い物を持ち上げるなどの動作を繰り返すことで、椎間板に負担がかかり、変形や破損が起こりやすくなります。
また、遺伝的に椎間板が弱い体質の方や、骨の形に異常がある方も、椎間板ヘルニアになりやすい傾向があります。
治療法

椎間板ヘルニアの治療は、基本的には保存療法が中心です。痛みや炎症を抑えるための薬物療法や、神経の圧迫を和らげるための牽引療法、筋肉を強化するための運動療法などが行われます。
しかし、保存療法で効果が得られない場合や、神経の麻痺、排尿・排便障害などの症状がある場合は、手術療法をご提案します。

腰部脊柱管狭窄症

腰部脊柱管狭窄症は、背骨の中を通る神経の通り道(脊柱管)が狭くなり、神経が圧迫されて、お尻から足にかけて痛みやしびれが生じる病気です。特に、歩行中に症状が悪化し、少し休むと楽になるという特徴があります。進行すると、排尿・排便障害や足の麻痺が起こる場合もあります。

原因
加齢による背骨の変形や靭帯の肥厚が主な原因ですが、他にも様々な要因が考えられます。例えば、長時間の立ち仕事や中腰での作業、重い物を持ち上げるといった、腰に負担のかかる動作を繰り返すことで発症リスクが高まるのが間違いありません。また、肥満や遺伝、喫煙、糖尿病、過去のケガなども影響する可能性があります。
治療法

腰部脊柱管狭窄症の治療は、症状の程度によって異なります。軽度な場合は、薬物療法、運動療法、神経ブロック注射などの保存療法が中心です。ただし、これらの治療で効果が得られない場合や、しびれや歩行困難などの症状が出てきた場合は、手術療法をご提案します。手術では、狭くなった脊柱管を広げ、神経の圧迫を取り除くことで症状の改善を目指します。

ぎっくり腰

「ぎっくり腰」は、正式には「急性腰痛」と呼ばれ、突然起こる激しい腰の痛みが特徴です。くしゃみや咳、軽い動作がきっかけで発症することもあり、その痛みは動けなくなるほどの激痛を伴うこともあります。シニア世代の発症に多いイメージもありますが、若年層でも発症するケースは多いため、注意が必要です。

原因
ぎっくり腰の主な原因は、腰の関節や椎間板、周囲の筋肉や靭帯などの損傷です。重い物を持ち上げた時や、不自然な姿勢での動作、スポーツ中のケガなどがきっかけで起こることが多いですが、中には、椎間板ヘルニア、脊椎圧迫骨折、脊椎の炎症など、重篤な病気が隠れているケースもあります。そのため、正確な診断のためには、MRI検査や血液検査が必要となる場合があります。
治療法

軽度の場合は、痛みが許容できる範囲で日常生活を送ることが推奨されています。コルセットやサポーターで腰を固定し、痛み止めや湿布などの薬物療法を併用することで、症状を緩和することができます。ただ中等度~重度の場合は、ブロック注射の処置が必要だったり、リハビリテーションを行ったりするなどの対応が必要です。

膝の痛み

膝の痛みは、加齢や体重の増加、激しい運動など、さまざまな要因によって引き起こされます。階段の上り下りでの痛み、膝の腫れ、膝がカクカクする、といった症状が現れることもあります。痛みが強かったり、長引いていたりと日常生活に支障がある場合は、放置せず、医師の診察を受けるようにしましょう。

こんな症状ありませんか?

  • 膝に痛みや違和感がある
  • 膝の内側が痛い
  • 階段の上り下りがつらい
  • 膝がグラつく

主な疾患

変形性膝関節症

変形性膝関節症は、膝関節のクッションの役割を果たす軟骨がすり減り、骨や関節が変形してしまう疾患です。
主な症状は、膝の痛み、腫れ、水が溜まるなどです。初期は、立ち上がりや歩き始めなど、動作を開始する時に痛みを感じることが多く、安静にすると痛みが治まります。しかし、病気が進行すると、安静時にも痛みが生じ、日常生活に支障をきたすようになります。

原因
変形性膝関節症の主な原因は、加齢による関節軟骨の老化です。軟骨は、年齢とともに弾力性を失い、すり減りやすくなります。また、肥満や遺伝的な要因も発症リスクを高めます。さらに、スポーツなどによる膝への過度な負担や、過去のケガ、感染症なども原因となることがあります。
治療法

初期の段階では、痛み止めやヒアルロン酸注射などの薬物療法、運動療法、温熱療法などのリハビリテーションが中心となります。
これらの保存療法で効果が得られない場合は、関節鏡手術や骨切り術、人工関節置換術などの手術療法が検討されます。関節鏡手術は、小さな傷口から内視鏡を入れて、関節内の状態を確認しながら治療を行います。骨切り術は、変形した骨を矯正する手術で、人工関節置換術は、傷んだ関節を人工関節に置き換える手術です。

痛風

痛風は、血液中の尿酸値が上昇し、関節内に尿酸塩結晶が析出することで引き起こされる関節炎です。30代~50代の男性に多く発症し、足の親指の付け根に激痛が生じます。足首、膝、肘などの関節にも発症することもあります。痛風の初期段階では時間が経過すると痛みが治まることもありますが、放置すると発作が繰り返されるのが特徴です。

原因
尿酸値が高くなる原因はさまざまです。プリン体(尿酸の元となる物質)を多く含む食品(肉類、魚介類、アルコールなど)の過剰摂取や、肥満は尿酸値を上昇させる要因となります。また、遺伝的に痛風になりやすい体質の方もいます。激しい運動やストレス、脱水、特定の薬剤(利尿剤など)の使用も、尿酸値を上昇させる可能性があります。
治療法

痛風発作が起きたら、まずは痛みや炎症を抑えることが重要です。消炎鎮痛薬の内服や、痛みが強い場合はステロイドの関節内注射を行います。さらに、痛風発作を繰り返さないためには、尿酸値を下げる薬を服用し、尿酸値をコントロールすることが重要です。食事療法や運動療法など、生活習慣の改善も欠かせません。

外傷

外傷は骨折、脱臼、捻挫、切り傷など、身体に損傷が生じた状態を指します。これらの外傷に対し、整形外科では詳細な検査を行い、適切な治療をご提供可能です。処置、投薬、リハビリテーションまで一貫して対応し、手術が必要な場合は、高次医療機関への紹介も行っています。

骨粗鬆症

骨粗鬆症は、骨の量が減り、骨がもろくなることで骨折しやすくなる病気です。特に高齢者に多く、女性は閉経後にリスクが高まります。初期には自覚症状がないことが多く、骨折して初めて気づくケースも少なくありません。

原因
加齢や女性ホルモンの減少により、骨を作る働きよりも骨を壊す働きが活発になり、骨量が減少しやすくなります。これが骨粗鬆症の主な原因です。また、カルシウムやビタミンDの不足、運動不足、喫煙、過度な飲酒なども骨粗鬆症のリスクを高める要因となります。
治療法

骨粗鬆症の主な治療法は、骨を強くする薬物療法です。また、骨を作るのに必要なカルシウムやビタミンDを十分に摂取する食事療法や、適度な運動も重要です。骨折してしまった場合は、ギプス固定や手術などの治療が必要になることもあります。

交通事故の治療

交通事故の後は、自覚症状がなくても早めに整形外科を受診ください

交通事故に遭った直後は、興奮状態や緊張により、痛みを感じにくいことがあります。しかし、ある程度の時間が経過してから、首や腰の痛み、頭痛、吐き気などの症状が現れることが少なくありません。これらの症状を放置すると、慢性化し、後遺症につながる可能性もあります。
交通事故後は、たとえ自覚症状がなくても、できるだけ早く整形外科を受診することが大切です。早期の診察と適切な治療は、後遺症のリスクを減らし、早期回復につながります。

交通事故によるケガの特徴

  • Point01

    症状が長引いたり、時間が経って出る

    交通事故によるケガは、事故直後は体が興奮状態で、痛みを感じにくいことがあります。しかし、翌日以降に首や腰の痛み、頭痛、吐き気などの症状が現れることが少なくありません。特に「むち打ち症」は、事故後しばらくしてから症状が現れることがあります。適切な治療が遅れると、痛みの悪化や慢性化につながるので注意しましょう。

  • Point02

    痛みが強く出る

    交通事故は、高速で移動する乗り物同士の衝突であるため、身体にかかる衝撃は想像以上に大きいものです。そのため、骨や筋肉、靭帯、神経などに深刻な損傷を負う可能性があります。なおかつ時間が経つにつれて激しい痛みが現れることもあります。

  • Point03

    目に見えない損傷や精神的ストレス

    交通事故によるケガは、外見上は軽微に見えても、体の中では大きなダメージを受けている場合があります。また、事故のショックによる精神的なストレスも軽視できません。PTSD(心的外傷後ストレス障害)やうつ病、不安障害などを引き起こす可能性もあります。

「後遺症診断書」の作成ができるのは、整形外科のみです

交通事故に遭ったら、まずは整形外科を受診することが大切です。
交通事故の後遺症認定に必要な「後遺障害診断書」の作成は、医師だけが行うことが可能です。事故後、整形外科を受診せずに接骨院に通院していると、事故とケガの因果関係を証明するのが難しくなります。「特に症状がないから平気」「軽い事故だったから大丈夫」と考えずに必ず病院を受診しましょう。
当院では、交通事故によるケガの診療に豊富な経験を持つ専門医が在籍しています。詳細な検査を行い、患者様一人ひとりの状態に合わせた適切な治療を提供いたします。

スポーツ障害・スポーツ外傷は、当院にお任せください

当院はチームドクターの経験やスポーツドクターの知識をもとに、プロに限らずスポーツにかかわるすべての人の健康管理やリハビリなどをサポートしています。アスリートの皆さんが長く、より良いコンディションでスポーツができるように、それぞれに合った治療・リハビリ計画を策定し、改善をしていきます。スポーツに関するケガや不調は当院にお任せください。